Sympapaのスマートホーム日記

スマートなんとかはスマートじゃない方法でつくられている

Home Assistant: Moesのニュートラル線不要Zigbeeスマート壁スイッチを試す(1)

Sympapaです。
照明をスマート化する場合、一般的には照明をスマート化する方法と「壁スイッチ」をスマート化する方法の2通りがあります。
(実際には壁スイッチと照明の間に入れるスマートスイッチもありますが、便宜上、今回はそれは無いことにします(笑) )

 

照明をスマート化する方法では「壁スイッチ」を常時オンにしておかなくてはならず「壁スイッチ」は使えなくなるデメリットがあります。物理スイッチが欲しい場合は別にリモートスイッチを用意しなくてはいけません。例えばPhilips HueのDimmer Switchみたいなやつです。

照明をスマート化する方法としては、電球タイプならPhilips Hueなどのスマート電球を使用すれば良いし、シーリングライトならスマート化されたものも販売されていますが赤外線リモコン付きの灯具であればNature RemoなどのスマートIRリモコンで制御する方法もあります。
ただ最近の住宅はLEDが内臓されたダウンライトが多用されているので、後から照明をスマート化するハードルは高くなって来ているように思います。

 

一方「壁スイッチ」の方を「スマート壁スイッチ」にする方法ですが、こちらのハードルは更に高くなり壁にぶち当たります。
まず、パナソニックなど日本の「スマート壁スイッチ」は価格がとてつもなく高く、ガラパゴス規格なので他のスマートホームシステムとの親和性が低いという問題があります。まぁそこは安価で他のスマートホームシステムとの親和性が高い海外メーカー製の「スマート壁スイッチ」を使えば解決できるわけですが、電気工事業者が取り扱っているワケもなく誰に工事を頼むのかとか中華製のを壁に埋め込むのって怖いという課題が生じます。

 

それらの課題をクリア出来たとして、後から「壁スイッチ」を「スマート壁スイッチ」に交換する場合はニュートラル線の壁にぶち当たります。
「スマート壁スイッチ」へはオンオフするためのリレーや通信するためのモジュールに電源を常に供給しなくてはいけません。
そして家に付いている普通の壁スイッチはオフにすると電気回路が切れてしまうため、従来は「スマート壁スイッチ」に交換する場合は別回路から電源を供給しなくてはならず、いわゆる「ニュートラル線」がスイッチの裏に来ている必要がありました。
ニュートラル線」とは「ライブ」と「ニュートラル」の2極の内、接地されている方のことです。
国と地域によっては「ライブ線」と「ニュートラル線」の両方をスイッチのところまで持ってきて「ライブ線」のみをスイッチでオンオフし、スイッチの先は2極とも照明まで持っていくのが一般的なところもあるらしいです。
一方、日本では「ライブ線」のみをスイッチのところまで持ってきてスイッチの先は照明に繋ぎ、照明の「ニュートラル」側は基幹の「ニュートラル線」に繋ぐのが一般的です。
後者の方が配線が少なく済みそうですが、後で配線を弄るのは大変そうですね。
スイッチの裏まで「ニュートラル線」が来ていればスイッチのところに2極とも来ているので、スイッチをオフにしても壁スイッチに常時電源が供給できるわけです。
壁スイッチ裏の「ニュートラル線」は日本の一般的な住宅には無い場合が多く、これが「スマート壁スイッチ」へ交換したい場合の障壁となります。

 

しかし最近では「ニュートラル線不要のスマート壁スイッチ」が発売されています。仕組みとしては一般的に、オフの時に照明が点灯しない程度に電気を流してスマート壁スイッチの動作に必要な電源を確保しているようです。照明の消費電力が小さいとスイッチをオフにしている間もゴースト点灯してしまうので、その場合はキャパシタなどを入れないといけない面倒があったりするのですが、「ニュートラル線不要かつキャパシタ不要」をうたっていて100Vに対応しておりサイズも日本の一般的なスイッチと同じというスマート壁スイッチを見つけたので今回はこれを試していきます。

■Moes ZigBee Wall Touch Smart Light Switch ZS-US2-WH-MS


今回購入したのは、MoesのZigBee Wall Touch Smart Light Switch ZS-US2-WH-MSです。
本体の裏にはZTS-USと書かれているんですが、箱にはZS-US2-WH-MSと書かれていてZTS-なのかZS-なのかよーわからん。
https://www.moeshouse.com/products/zigbee-wall-touch-smart-light-switch-with-neutral-wire-no-neutral-wire-no-capacitor-needed-smart-life-tuya-2-3-way-muilti-control-association-hub-required-1-gang-white-us?variant=39797103099985www.moeshouse.com


特徴は製品説明と私の推測を混ぜて書くと以下のような感じです。

 
  • Zigbee接続。たぶんW-Fiより消費電力が小さいのでオフの時にLEDがゴースト点灯してしまう問題が生じにくいと思われる。
  • ニュートラル線無しで使用した場合にキャパシタ不要。これもたぶんスイッチオフの時にこの壁スイッチが必要とする消費電力が小さいためオフの時にLEDがゴースト点灯しにくいためと思われる。
  • ニュートラル線無し/ニュートラル線ありのどちらでも使える。
  • 照明を接続せず電源だけ(ニュートラル線を)接続した場合はリモートスイッチとして使える。この機能により疑似3路スイッチも実現可能。
  • ガラス製パネルにタッチ式スイッチで質感は高い。手探りで操作することが出来ないので操作性はどうかな?
  • 100V~250Vに対応。

 

 

■試す

表面はガラス製で見た目の質感はまずまずですが、指紋が付着しやすく目立ちます。
スイッチ部分は直径15mmくらいのタッチ式で、物理的凹凸は一切ないのでスイッチの位置を触って確かめることはできません。
丸く光るインジケーターランプが内臓されています。


私自身は電気工事士の資格を持っていないので今回はコンセントに繋いで試します。
裏側にN,L,L1,L2の端子があります。Nがニュートラル(オプション)、Lがイン側、L1とL2が2個のスイッチのアウト側です。

まずは照明を接続せずにNとLに電源を繋ぎHome AssistantのZigBee2MQTTでデバイス追加を試みました。
スイッチを5秒長押しすることでZigBee接続のペアリングモードに入ります。
無事にデバイスとして追加されましたが"TS0012"という別機種として認識されてしまいました。


スイッチはちゃんと2つ認識しましたが、EU仕様のZTS-EU2はZigBee2MQTTでサポートされていてスイッチの周りが青く光るインジケーターライトのオンオフも出来るらしいのに、"TS0012"として認識されてしまったこれはインジケーターライトのオンオフはサポートされていません。
今度自力でZTS-US2として登録できるかトライしたいと思います。
www.zigbee2mqtt.io


オンになるとスイッチの周りのインジケーターランプが青く光りオフになると消灯します。ん!?オフの時にインジケーターランプが消灯したら暗い時にスイッチが探せないけどこれでいいのか!?
まぁ別機種として認識されてしまっているし、そもそも本来のTuyaのシステムとリンクさせているわけではないので、インジケーターランプについては本来の挙動ではないのかもしれません。


スイッチの挙動ですが、スイッチ側からでもHome Assistant側からでもちゃんとオンオフ出来てステータスの同期も出来ました。照明を接続せずに電源を繋いでいるだけでも機能するのでリモート操作用として使うことも出来ます。
ただ、Philips Hue Dimmer switchなどのリモートスイッチの場合は「長押し」や「ダブルクリック」といった操作もトリガーに出来ますが、これは実際にスイッチであるためか「長押し」や「ダブルクリック」といった操作をトリガーにすることは出来ません。
リモート操作用に使うのであれば、元々リモートスイッチとして売られているモノの方が電池で動いて配線要らずで取り付ける位置も選ばないし便利に使えると思います。
この壁スイッチをリモート操作用として使うケースとしては、ある場所でこの壁スイッチに照明を繋いで使用していて、デザイン的に他の場所のスイッチも統一したいという場合くらいかな。


次に本来の「スマート壁スイッチ」としてのテストです。
手元にあった5.6Wの電球をニュートラル線無しで繋げてみました。使うのはL端子とL1端子です。
オフの時のゴースト点灯もなくキャパシタ無しで安定して動作しました。
停電時から復旧した時の動作は一瞬だけ照明が光りますがその後オフになります。


端子のネジが剝き出しで怖いのでビニールテープを貼って軽く絶縁して試しましたよ。
実際に壁に埋め込んだ時もこれ剥き出しだと怖いですねぇ。配線したまま壁から取り外したいなんてことがあった場合に、端子のネジが剥き出しであることを忘れてブレーカーを落とさずに壁から取り外し端子を触ってしまいそうです。カバーくらい付けてくれたらいいのに。

 

■Moes ZigBee Wall Touch Smart Light Switch ZS-US2-WH-MSのファーストインプレッションまとめ

100Vにも対応していてニュートラル線もキャパシタも不要、日本で一般的な(パナと同じ)サイズなので、既存の一般的なスイッチとそのまま交換できます。
ニュートラル線無しキャパシタ無しでの挙動も試した限りでは問題なく、日本で既存スイッチをスマートスイッチに交換したい場合の有力候補ではないかと思います。
ただタッチ式スイッチは見た目はいいんですが、操作性に関しては人によって評価が別れそうです。私的には手探りではスイッチを探せない点とクリック感が無いので不採用かなぁ。。。
でも、Zigbee接続でUSサイズ(日本で一般的なものと同サイズ)でニュートラル線不要の「物理ボタンスイッチを備えた」スマート壁スイッチが見つからないんですよねぇ。EUサイズだと100Vでも使えるやつが色々あるのに。。。
あとはCEマークも付いているとはいえ中華製のものを壁に中に入れる抵抗感はありますよね。


それでは。