Sympapaのスマートホーム日記

スマートなんとかはスマートじゃない方法でつくられている

スマートホーム: 家電の電源状態を取得できるモジュールを簡単DIYで作る

Sympapaです。

前回、テレビの電源の状態をテレビに付いているUSBソケットの給電状態で取得しようとモジュールを作製したわけですが、作製後にUSBソケットへの給電がテレビの電源と連動していなかったことを知るという凡ミスをやらかしました。
今回はリベンジで、テレビ以外も含め家電の電源状態をスマートホームシステム上で取得できるモジュールを作製していきたいと思います。
文章は半分以上が前回のコピペです(笑)

■まえおき

スマートホーム化を進めると、どうしても家電がオンなのかオフなのかをHome Assistantなどのスマートホームシステム上で取得したい場面が出てきます。
例えばテレビ。Home Assistantなどのスマートホームシステムから操作した場合はもちろん電源の状態が同期されますが、テレビ付属の赤外線リモコンで電源を操作した場合はHome Assistantなどのスマートホームシステムには反映されません。
また、テレビをNature RemoなどのスマートIRリモコンでスマート化している場合、電源オンとオフの赤外線信号が別々に用意できればいいのですが、テレビのリモコンの電源ボタンは大抵オンとオフが共通のトグルボタンになっていてスマートIRリモコンでもトグルボタンの信号しか用意できない場合も多く、例えば「テレビの電源状態に関わらず確実にオフにする」シーケンスを作るには、電源の状態を取得して電源がオンであることを条件に電源ボタンの赤外線信号を発射するような工夫をする必要が出てきます。

家電の電源がオンかオフかを検出する方法として思いつくのは、①電力(電流)を取得し閾値を設定する、➁(照明やディスプレイや電源インジケータなどの)照度を取得し閾値を設定する、③物理的動作を何らかのセンサーで検出する、の3つくらいかなと思いますが、今回作製するのは①の電力によるもので、ある程度の消費電力がある機器であれば何にでも使えると思います。
本当は消費電力をスマートホームシステムから取得できる機能がついたスマートプラグを使うのがスマートな感じですが、スマートプラグはリレーで100Vの電源をスイッチします。消費電力の大きい家電で使う場合、得体の知れない中華製かもしれないリレーが発熱せんかなという不安もあります。
今回はクランプメータのような仕組みで直接100Vの回路に割り込ませることなく電流を検出し、その電流の大きさによって作動してくれるリレーを使ってテレビのみならず様々な家電の電源状態を取得できるモジュールを作っていこうと思います。


■用意したモノ

1)ドア開閉センサー: Aqara Door Window Sensor MCCGQ11LM: 4個まとめて買ったら1個約1100円
今回も前回同様信頼のAqara Door Window Sensorを使いますが、「リードスイッチ式」で使用しているスマートホームシステムに接続できるものであればOKです。
リードスイッチは磁力によって接点をオン/オフするだけの文字どおり「スイッチ」なので、リードスイッチの代わりに任意のスイッチを基板にくっつければその状態をスマートホームシステムで取得できるようになります。例えば、好きなボタンスイッチでもいいしフットスイッチでもいいし傾斜スイッチでもいいはず※です。
(※とはいえAqara Door Window Sensorの場合、人体ほど抵抗が高くても導通したと判定するので、スイッチがオフの時に絶縁がしっかり取れている必要があります。)
そしてリレーを使ってこの接点をオン/オフしてやれば通電状態を取得できるようになるわけです。


2)中華の電流検出モジュール: 559円

クランプメータのように輪っかに電源ケーブルを通し、ケーブルに流れた電流の大きさによってリレーが動作するモジュールを見つけたので今回はこれを使用します。
仕様が詳しく書かれていないのですが、あちこちで販売されているたぶん同じものと思われるモノの情報を総合すると以下のようなモノみたいです。

  • リレーの動作電圧はDC5Vで動作電流は20mA以下(5V以外に12V,24Vで動作するものが選べましたが今回はUSB電源を使おうと思い5Vを選択しました。)
  • 検出はAC電流で最大5Aである模様。つまり5A以上に閾値は設定できない、例えば6Aと15Aとの間に閾値を設けてリレーをオンオフすることは不可能ということのようです。
  • リレーが動作する電流の閾値は0.3A~5Aまでアナログボリュームで調整できるらしい。
  • 電圧の範囲は125V-250Vのようですが100Vでもいけるでしょう。
  • AC20Hz-400Hzに対応しているらしい。
  • 出力側はAC125V-10A、AC250V-10A、DC30V-10Aに対応しているらしい。まぁここはAqura Door Window Sensorを繋ぐだけなので気にしなくていい。


購入はAliexpressで本体は214円だったのに送料は345円(笑)の計559円でした。
ja.aliexpress.com


Amazonでもたぶん同じと思われるモノが売ってます。1159円と倍くらいしますがPrime対応なので2日後くらいには届きますし、期待したとおりに動かなかった場合Amazonのが返品もラクなのでAliで買うよりアリかもしれません(笑)
www.amazon.co.jp


何が付着しているのか判らんけど基板の裏側が超汚い。。。指紋付いているし(汗
なんか15年前の中華デバイスって感じでワクワクします(笑)
エタノールで拭き拭きしました。


3)Panasonic スナップキャップ WH 4021WP :158円


4)Panasonic テーブルタップ WH2163K: 278円


5)ビニール平行コードVFF2.0 2m: 400円


6)ELPA 丸形圧着端子R2-3.5 PS-060H: 158円


7)適当なUSBケーブル


8)適当なジャンパケーブル(メス)


9)適当な収縮チューブ


9)適当なAC-USBアダプタ


10)工具は端子圧着ペンチ、プラスドライバー、マイナスの精密ドライバー、ハサミ、ハンダごて、ハンダくらい。


うーむ。気が付いたらその辺に転がっていたものを除いても2500円を超えているのでスマートプラグのがいいんじゃね?疑惑がますます強くなりました(笑)


■いざDIY

1)ドア開閉センサーを分解して基板を取り出します。


2)リードスイッチの両端の端子にケーブルをハンダづけします。本当はリードスイッチを取ってしまった方が良いと思うのでトライしましたが基板にだいぶ熱ダメージを与えてしまいそうなので諦めました。ってかかなりダメージの痕が(笑)


3)ハウジングにケーブルを通す穴を適当に開けます。私はドリルなどを持っていないのでデザインカッターでグリグリしました(笑)
そんでケーブルを穴から外へ出して組み直せばドア開閉センサー側は完成です。今回はこの後リレーを接続しますが、このケーブルにお好みのスイッチを接続すればZigbee接続のリモートスイッチとして使えます。


4)USBケーブルを切断し外側の被覆を剥いて中のケーブルをむき出しにします。
赤が電源+、黒が電源-です。白と緑はデータ線で今回は使用しません。シールド線らしきものもありましたが使用しません。
赤と黒の線にメスのコネクタが付いたジャンパケーブルを接続します。


5)次はテーブルタップを作製していきます。まずはコンセントに挿すプラグとコードを接続します。
接続方法は「延長コード 自作」でググればたくさん出てくるので割愛しますが、接触抵抗が大きくなると発熱が大きくなるので圧着端子を使ってしっかり接続します。


6)テーブルタップに接続する側は2本くっついているコードを長めにバラバラにして1本を電流検出リレーの輪っかに通します。その後、テーブルタップに接続します。


7)電流検出リレーの電源端子に4)のUSBケーブルのコネクタを挿します。


8)リレー出力端子のCOMとNOに3)のAqura Door Window Sensorのケーブルを繋いで完成!


■使ってみる

コンセントにプラグを挿してテーブルタップに電源状態を取得したい家電のプラグを挿し電源検出リレーにUSBで給電すれば使えます。
リレーを動作させる電流の閾値はネジを回すことで調整でき、右に回すと閾値が小さくなります。
検出できる最低の電流が定かではありませんが、同じ商品と思われるモノの日本のAmazonの商品説明では0.3Aということになっています。
そうなると消費電力30W以上の機器であれば電源オンオフを検出できることになりますが、とりあえず消費電力の仕様が標準29.5Wのディスプレイで調整した結果、ディスプレイをオンにするとHome Assistant上でAqara Door Window Sensorのステータスがクローズになり、ディスプレイをオフにするとAqara Door Window Sensorのステータスがオープンになる、すなわちちゃんと電源状態が取得できることを確認しました。
リビングのテレビでも調整すれば問題なく電源オンオフを取得できました。
12Wの電気スタンドでもテストしてみた感じ問題なさそうでしたが調整がシビアだったので安定して動くかは???です。
家電の電源オンオフからリレーが動作するまでの時間は調整した電流の閾値によってやや差がありますが、30Wを超えていれば電源オンですぐ作動し、電源オフの時は2秒後くらいに作動するという感じでした。


■まとめ

ということで今回は家電の電源状態をスマートホームシステムから取得できるモジュールを簡単DIYで作製しました。
なんだかんだで2600円くらいかかったので消費電力が取得できるスマートプラグを買った方がスマートな気がしますが、今回作製したモジュールは家電の電源に直接割り込ませずに検出できるので、消費電力の大きい家電の電源状態を取得したい場合は今回作製したモジュールの方が安心ではないかと思います。

それでは。