Sympapaのスマートホーム日記

スマートなんとかはスマートじゃない方法でつくられている

スマートホーム: スマートフィラメント電球3種類を比較する

Sympapaです。


ペンダントライトやウォールマウントの照明には、フィラメントタイプのクリア電球を使いたいですよね。

裸電球で使うなら尚更そうなると思います。


現在の照明はLEDがほとんどですがフィラメントを模したLED電球もたくさん販売されています。
しかし、IoTなスマート電球でフィラメントタイプのものはあまり選択肢がありません。


そんなワケでフィラメントタイプのスマート電球を物色しいくつか購入したので比較にしたいと思います。
選定条件としては、①クリアガラスのフィラメントタイプ、➁照度と色温度を調整できる、③最大照度が明るい(500lm以上)、➃Wi-Fi接続かZigbee接続でHome Assistantに接続可能 です。
Home Assistantに接続する場合接続方式はZigbeeがベストなのですが、選択肢が限られるのでWi-Fiも許容することにしました。
そして、特に小さいペンダントライトなどはE17の電球を使用するものも多いのですが、E17のフィラメントタイプスマート電球となるとますます選択肢が少なくなるので灯具の方をE26電球が使えるものを選ぶことにして、E26タイプの電球を3種類購入しました。


それではみていきましょう。

■購入した電球

1.Philips HUE フィラメント球 A60 550lm E26
スマート電球界で鉄板のPhilips HUEが2023年夏から念願のフィラメントタイプの電球の販売を日本でも開始しました。今回購入したのは一般的な形状のA60ですが、なすびみたいな細長い形状のST64も用意されています。口金はE26でE17のものは販売されていません。
接続はZigbeeでなので遠隔操作したりGoogle HomeやAlexaから操作するにはHue BridgeなどのZigbeeハブが必要になりますが、Home AssistantにZigbee2MQTTなどを使って接続することも可能です。また、ハブが無い場合も、スマホBluetooth接続してPhilips HUEのアプリから操作することは可能です。
今回の3種類の中では明るさが550lmと暗めですが、暖色側の色温度の調整範囲が広く2200Kとなっています。
フィラメント(もどき)の形状はスパイラルで、ガラスは若干アンバー色になっています。
A60形状のものはAmazonでは6月9日に販売開始されその時の価格は5480円、その後最低価格では4227円まで下がりましたが、現在は5480円に戻っています。Amazon以外のYahoo!ショッピングなどで買った方が実質価格は安くなりますね。
細長い形状のST64タイプはA60タイプより900円前後高い価格で売られています。
今回は丸い一般的なA60形状のものを購入しました。
[仕様]
外形寸法 60×115mm
消費電力 7W
最大光束(lm) 約550lm
色温度 約2200~6500K
平均演色評価数(Ra) 80
www.philips-hue.com
www.philips-hue.com



2. +Style LED エジソン電球 (調光・調色) /E26PS-LIB-W06
日本のスマートデバイス界で頑張って色々販売している+Styleのフィラメントタイプ電球です。形状は丸い一般的なA60のもの一択で、口金はE26一択です。
Wi-Fiで自宅のネットワークに接続し、メーカー側のサーバーを介して遠隔操作したりGoogle HomeやAlexaから操作できます。
フィラメントの形状は直線状です。ゴールドの樹脂部分が大きくダサい印象ですがこのあたりは後で述べたいと思います。
Amazonでの価格はセール時に2780円、通常時は3480円がここ3ヶ月くらいでの推移ですが、お得な2個セットではセール時に4980円、通常時6780円で販売されています。
[仕様]
外形寸法 約φ60×117mm
消費電力 約6W
最大全光束(lm) 約810lm
色温度 約2700~6500K
平均演色評価数(Ra) 80
plusstyle.jp


3. VENTOTA (SMART HERE) スマート電球 TV2C-ST64(クリアタイプST64型)
今回購入したのは細長いST64形状のクリアタイプですが、丸い一般的な形状のA60形状と丸くて大きいG95形状も用意されてます。口金は全てE26でE17のラインナップはありません。
フィラメントは直線形状で根元の樹脂パーツ部分は白色です。
Amazonでのここ3ヶ月くらいの通常価格はA60もST64も3380円ですが、たまにセールで3042円になっているようです。
尚、クリアタイプ以外にガラスがアンバー色でフィラメントがスパイラルの雰囲気重視仕様もラインナップされていますが、明るさが300lmと暗く色温度もかなり暖色寄りとなるため今回は選択しませんでした。
いずれも口金はE26です。
[仕様]
外形寸法
消費電力 7W
最大全光束(lm) 約810lm
色温度 約2700~6500K
スマート LED電球 クリアタイプwww.finekagu.com


■ちなみにその他の候補

日本で買えるフィラメントタイプのスマート電球はそう多くはないので、私が見つけた他の候補も紹介しておきます。


Edison Smart
フィラメントタイプの電球(スマートじゃないやつ)といえばEdison bulbが結構メジャーですが、スマート電球もEdison Smartブランドでラインナップしています。
しかし、メインのラインナップと思われる一般的なA60形状と細長いST64形状に色温度調整機能が無い(2200K固定)ので今回は選択しませんでした。明るさの調整は可能です。
根元に樹脂パーツがなく見た目が良いので、色温度調整が不要であれば選択肢に入ると思います。
もともとは色温度が調整できるものも4タイプラインナップされていて口金E17のシャンデリア球もありましたが、内3種類は公式ページにSOLD OUTと書かれているのでディスコンだと思われます。
shop.edison-led.co.jp


IKEA Tradfri
大手ブランドの安心感と圧倒的コスパを誇るのがIKEA Tradfriシリーズのスマート電球です。でもIKEAが近くにない私のような田舎モンには交通費か高い送料のせいであまりコスパが良くならない問題はあります。
Zigbee接続なのでHome Assistantで使うには使いやすいですね。
残念ながらフィラメントタイプになると色温度は2200K固定で調整できず、明るさも250lmと暗いので今回は選択しませんでした。
しかし1499円と圧倒的コスパなので用途によっては有力候補になります。また、口金E17のシャンデリア球のラインナップもあります。
www.ikea.com
www.ikea.com

■レビュー

レビューと言ってもアプリで出来ることなどは似たり寄ったりなので割愛し、照明自体と接続、見た目をレビューします。


1.Philips HUE フィラメント球 A60 550lm E26
Hue Bridgeを持っていないので、Home AssistantでZigbee2MQTTを使って接続した場合のレビューになります。

まず、Zigbee2MQTTを使ってHome Assistantと接続しようとしたところLTA013として認識されましたがサポートされていませんでした。発売から2~3ヶ月経っているのにサポートされていないので、この電球はHome Assistantユーザーの少ない日本専用モデルなのかもしれません。
少し四苦八苦しましたが自力で対応させることが出来たのでとりあえず使用出来てますが、サポートもお願いしておきました


さて、照明自体を見てきます。
スパイラルコイル状のフィラメント(もどき)には、上側に2200K、下側に6500KのLEDが配置されていて、2200Kか6500Kに設定した時はどちらかしか光りません。その間の色温度を設定した場合は両方光りますがその照度の比率で色温度を調整するので、最大照度の550lmで光るのは色温度が中心(4850K?)の時だけということになります。明るさはスペック上は他の2種は最大810lmなので劣っているのですがそこまでの違いは感じられません。
また、最低照度に設定した場合の照度がかなりがっつり暗くなるので、除夜灯的使い方をする場合に威力を発揮します。
ちなみに私が持っている白いガラスの普通の電球の場合も、Philips HUEのは他メーカーのと比べてかなり暗くなります。
寝室など眠る部屋に使う場合はPhilips HUEがおススメです。
色温度の調整範囲は他の2種類は2700~6500KですがこのPhilips HUEは2200~6500Kなので、より暖色側に調整出来ます。白いガラスの普通の電球の場合は2200Kまで暖色に寄せたいケースがあまりないのですが、雰囲気も重視されるフィラメントタイプの電球では、2200Kまでカバーしているのはアドバンテージではないかと思います。また、
電源ON/OFF時にフェードします。フェードをOFFにする設定は出来ません。


外観では、ガラスが若干アンバー色でスパイラルコイル状のフィラメント(もどき)になっていますが、そのフィラメント部分は思ったより太く、根元の黒い樹脂パーツの形状のせいもあってか個人的にはレトロ感が薄いと感じました。
そして、根元の黒い樹脂パーツは小さいのですが、これまた形状のせいか灯具との色のバランスなのか意外に違和感があります。

更に、照度を落としたときに結構LEDのツブツブがはっきり見えるので、この点もレトロ感を薄めています。

これはこれで、クルマで例えるとミニやビートルのようなネオレトロっぽくて格好良いとも思えますが、ちょっと思ってたイメージとは違うかも。。。
シェードのある灯具では気になりませんが裸電球で使うのは少し違和感あるかも。


2. +Style LED エジソン電球 (調光・調色) /E26PS-LIB-W06
まず、接続に関してみていきます。+Styleのアプリに登録すれば、メーカー側のサーバーを介してアプリから操作したりGoogle HomeやAlexaとの連携が可能になるワケですが、Tuyaのプラットフォームを使用しているようでTuyaアプリやSmart Lifeアプリへの登録も可能です。
そうなると、TuyaのAPIも使えるしHome Assistantとの接続も可能です。Home AssistantとTuyaの連携については後ろの方で少し書きたいと思います。
操作のレスポンスはすこぶる良く「本当に海外のサーバーを経由してるの?」という早さで反応します。たまに遅い時はありますが、それでも体感的に1秒かかることはまずありません。
あと、Wi-Fiを接続に使うスマートデバイスはモノによってはWi-Fi環境を選びます(Wi-Fiの設定やチャンネルの混み具合などの影響を受けやすい)が、この+Styleの電球はそのあたりにかなり強い部類だと思います。


次に照明自体を見てきます。
4本の直線のフィラメント状LEDが配置されていますが、2本が2700K,2本が6500Kになっているので、2700Kか6500Kに設定した時は2本しか光りません。
その間の色温度を設定した場合は4本光りはしますがその照度の比率で色温度を調整するので、仕様上最大の810lmの明るさになるのは色温度がど真ん中(4600K?)の時だけになります。
照度については最低照度にしてもPhilips HUEほど暗くはならず、例えば2700Kで最低照度に設定した時には感覚的にPhilips HUEの20%くらいの明るさです。それでもVENTOTAのよりは暗くなります。
電源ON/OFF時にフェードします。フェードをOFFにする設定は出来ません。
また、ある時期に数日間、光がフリッカーのように軽くチラチラする現象を経験したことがあります。Amazonのレビューでも1つだけですが、同様の現象が起きるという他の方のレビューを見かけました。その後再現されていないので問題ありませんが、電源の安定性に対してシビアとか何か問題があるのかもしれません。


外観については、購入前に気になっていた大きいゴールドの樹脂パーツが裸電球で使うには結構違和感ありますね。でもシェードの中に入ってしまえばシェードが透明のガラス製であってもほとんど気になりませんし、ガラス製のシェードの場合でソケット部分の色がゴールドに近い場合はむしろコレの方が良いかもしれません。


3. VENTOTA (SMART HERE) スマート電球 TV2C-ST64(クリアタイプST64型)
こちらも+Styleと同じくTuyaのプラットフォームを使用しているようなので、TuyaアプリやSmart Lifeアプリへの登録も可能です。
ただ、+Styleと比べるとONにする時のレスポンスがたまに悪いことがあり、なんというかスリープしてるの?って感じで1.5秒くらいかかる時があります。Wi-Fi環境に左右されやすいのかもしれません。切断されてしまったことはありませんけど。


照明そのものの部分を見てきます。
4本のフィラメント状LEDが配置されていますが、2本が2700K,2本が6500Kになっており2700Kか6500Kに設定した時は2本しか光らない点は+Styleと同様です。
照度の調整については、最低照度にしてもあまり暗くはならず、1%に設定した時にPhilips HUEの35%くらいで、+Styleの5%くらいでしょうか。
がっつり暗くしたいという人にはおススメできません。
また、折角調光機能があるのに電源ON/OFF時にフェードしない点もちょっと残念です。


外観は、根元の白い樹脂パーツが目立ちはしますが、古い人間には「碍子(ガイシ)」っぽく見えないこともないので意外と裸電球でも違和感なかったです(笑)
あとガラスの品質があまりよろしくなく、何故か内側に1mm大くらいの凹みが1つあり、それ以外にも細かい気泡みたいのがありました。

■まとめ

性能と品質面だけで言うとPhilips Hueがダントツで良いです。
特に寝室など眠る部屋に使うのであれば最低照度でガッツリ暗く出来て色温度の暖色側が2200Kまで設定できるPhilips Hue一択かなと思いました。
そこまで求めなければ+Styleは良いと思います。
VENTOTAは最低照度でもあまり暗くならない点と、ONにした時のレスポンスがたまに悪い点が気になりました。


外観はやはり根元の樹脂パーツが悩ましいところです。+Styleのゴールドの樹脂パーツは大きいし、Philips Hueの黒い樹脂パーツは小さいんですが形状のせいか色のせいかちょっと違和感を感じました。でも、シェードのある灯具であればシェードが透明でもあまり気にならないとは思います。
意外にも、VENTOTAの白い樹脂パーツが目立たないと感じましたが、そもそも形状が細長いST64なので裸電球向きだし通常のA60形状だと目立つと感じるのかもしれませんし、Philips Hueも形状がST64であれば樹脂パーツの存在があまり気にならないのかもしれません。
そういう意味では、今回購入していないEdison Smartは根元の樹脂パーツが無いので気になる存在です。色温度を変えられるものもST64形状だけはまだ販売されているようなのでそれを買うというテもありますが、特に耐久性とWi-Fiの安定性が微妙そうなレビューがAmazonに複数あるのでちょっと躊躇っています。

■おまけ

1)Philips HUE フィラメント A60 550lm E26 (LTA013)をZigbee2MQTTに自力で対応させる
ここの手順で下記のExternal converterを追加してうまくいきました。

const fz = require('zigbee-herdsman-converters/converters/fromZigbee');
const tz = require('zigbee-herdsman-converters/converters/toZigbee');
const exposes = require('zigbee-herdsman-converters/lib/exposes');
const reporting = require('zigbee-herdsman-converters/lib/reporting');
const extend = require('zigbee-herdsman-converters/lib/extend');
const ota = require('zigbee-herdsman-converters/lib/ota');
const tuya = require('zigbee-herdsman-converters/lib/tuya');
const utils = require('zigbee-herdsman-converters/lib/utils');
const globalStore = require('zigbee-herdsman-converters/lib/store');
const e = exposes.presets;
const ea = exposes.access;

const definition = {
    zigbeeModel: ['LTA013'],
    model: '929003596001',
    vendor: 'Philips',
    description: 'Hue Filament A60 550lm E26',
    // Note that fromZigbee, toZigbee and exposes are missing here since we use extend here.
    // Extend contains a default set of fromZigbee/toZigbee converters and expose for common device types.
    // The following extends are available:
    // - extend.switch
    // - extend.light_onoff_brightness
    // - extend.light_onoff_brightness_colortemp
    // - extend.light_onoff_brightness_color
    // - extend.light_onoff_brightness_colortemp_color
    extend: extend.light_onoff_brightness_colortemp({colorTempRange: [222, 454]}),
};

module.exports = definition;

2)Tuya系デバイスをHome Assistantに接続する方法
Home Assistantには"Tuya"インテグレーションがあらかじめ用意されています。Tuyaのサーバーを介して接続できます。
また、ローカルで接続できるカスタムインテグレーションとして、"Local Tuya"インテグレーション"Tuya Local"インテグレーションがあります。
2023年9月現在はいずれも問題なく使えてますが、私は"Tuya Local"をメインに使ってます。
sympapa.hatenablog.com


それでは。